イントロダクション
Jリーグはプロサッカーリーグであると同時に、リーグに所属する各クラブが所在する地域を「ホームタウン」と呼び、地域に根差したスポーツ文化を醸成させるという役割を果たしてきた。
今回特別製作された映画は、家族のへの愛情をストーリーの主軸にするとと同時に「故郷への想い」が根底に流れている。
物語の最後は地域の象徴であり、故郷への熱い想いを持った仲間が集まるスタジアムが舞台。 新進気鋭の大川五月を監督に迎え、「サッカー」「ホームタウン」「スタジアム」といったJリーグの象徴を描きながら、失われたものへの複雑な感情、家族を思う気持ちを繊細に表現した心温まるストーリーに仕上がっている。
あらすじ
東日本大震災で甚大な被害に見舞われた東北、宮城県。
仮設住宅で両親と暮らす小学生小雪は、ある日、テレビでこんなニュースを目にする。「津波で流されたサッカーボールが5,000キロもの距離を渡って米国・アラスカで発見」 地震と津波で家も、思い出の品も失った小雪の家族。
父親の勇は職を失い、母の小百合がパートで家計を支える日々を過ごす。「仕事が見つかるまでは」と職探しをしながら家事を手伝う父は、いつしか「楽しむこと」を我慢して、笑顔を失っていた。そんな折に、ニュースを目にした小雪は母に、父が高校時代にサッカー部のみんなからもらった寄せ書きボールを大切にしていたことを聞く。
お父さんを喜ばせたい。大好きなお父さんの元気を取り戻すため、小雪は真新しいボールをもって、もう一度寄せ書きをもらうために、故郷をめぐる旅に出る。